田久保　諭の常夏（とこなつ！）BLOG

なぜなら後輩の家が「でんすけスイカ」を作っていたからだ

そして食べたいという僕に
後輩は商品にならないヤツだからといって
キレイな形にならなかったやつを持ってきてくれた


こういう、商品にできなくて、市場に出回らないものほど僕は美味いような気がする
漁師メシが美味いように


そして「でんすけスイカ」を１玉も手にした僕は嬉しさのあまり、大事にとっておいた

季節は夏

普通すぐに腐ってしまいそうだが北海道の夏は涼しく、その心配はない。


しかし、部屋の窓際で風の心地よさから隔離され、太陽のみを浴び続けた「でんすけスイカ」はどんど
ん鮮やか黒から輝きを失ったどんよりとした黒に変わっていった

そして夏休みの帰省の日が来た

僕は帰ってきたら食ってやるからなと一言「でんすけ」に残し部屋をあとにした


帰省を終え再び部屋に戻った僕は久しぶりに「でんすけ」再会

よしっ、今日は「でんすけ」との決別の日、と思い

最後に撫でてやった

すると…

普通のスイカの音と違う

あれっ、スイカの音はこんなんだったかな

よくスーパーでスイカを叩くと「ポンッ、ポンッ」といい音がする
その音がしないのはこいつが普通のスイカと違う「でんすけ」だからか

そして包丁を手にとった僕は「でんすけ」と

サヨナラをした

…中は見事なまでにスイカの原型をとどめていなかった

うろ覚えだがジュースになっていたと思う

そして「でんすけ」を野原に置いた。
その後、キタキツネの餌になったかどうかは定かではない